読書感想文におすすめの本【2025年版】書きやすい作品TOP10を徹底解説！

「読書感想文、何の本を選べばいいんだろう……」

夏休みの終わりに、書店や図書館で途方に暮れた経験、ありませんか？実は読書感想文って、本選びで8割が決まるんです。私自身、学生時代に「これなら書けそう」と選んだ分厚い名作で大失敗した苦い思い出があります。

この記事では、読書感想文が書きやすい本の選び方から、学年別・ジャンル別のおすすめ作品、さらに実際に感想文が書きやすかった本のランキングまで、初心者でもすぐに実践できる情報を網羅的にお届けします。

本選びのコツさえ押さえれば、読書感想文はグッと楽になります。「本選びで失敗したくない」「書きやすい本を効率よく見つけたい」そんなあなたに、最適な一冊を見つける道筋を示します。

読書感想文で本を選ぶときに押さえたい3つのポイント

読書感想文の本選び、実はちょっとしたコツを知っているだけで、書きやすさが劇的に変わるんです。私も中学生の頃、「名作だから」という理由だけで選んだ本で、原稿用紙を前に3時間も固まってしまった経験があります。

そんな失敗をしないために、まずは本選びの基本となる3つのポイントを押さえておきましょう。

自分が興味を持てるテーマかどうか

これ、当たり前のようで一番大事なポイントなんです。

読書感想文って、結局のところ「自分がどう感じたか」を書くものですよね。興味のないテーマの本を選んでしまうと、読むのも苦痛だし、感想も「面白かったです」としか書けなくなってしまいます。

たとえば、スポーツが好きな人なら部活動を題材にした小説、動物が好きな人なら動物が主人公の物語、友情に悩んでいる人なら人間関係を描いた作品。自分の日常や興味と少しでもリンクする本を選ぶだけで、感想文は驚くほど書きやすくなります。

💡 ワンポイントアドバイス

「今、自分が気になっていること」「最近考えていること」をメモしてから本を探すと、ピッタリの本が見つかりやすくなります。

感想を書ける「感情の振れ幅」があるか

これ、意外と見落としがちなんですが、すごく重要です。

感情の振れ幅とは、読んでいて「悲しい」「嬉しい」「驚いた」「怖い」「感動した」といった気持ちの変化がどれだけあるかということ。淡々と進むストーリーより、心が動く場面が多い本の方が、圧倒的に感想文は書きやすいんです。

たとえば、主人公が困難に直面して苦しむ場面があれば「自分だったらどうするだろう」と考えられるし、仲間と協力して問題を解決する場面があれば「友情って大切だな」と感じられる。こうした感情の動きが、そのまま感想文のネタになるんです。

本を選ぶときは、裏表紙のあらすじや冒頭数ページを読んで、「この先どうなるんだろう？」「この主人公、どうするんだろう？」とワクワクできるかをチェックしてみてください。

読み切れるページ数・難易度か

これ、本当に大事です。無理は禁物。

「読書感想文だから、ちゃんとした本を選ばなきゃ」と思って、分厚い文学作品や難解な哲学書を手に取ってしまう人、結構いるんです。でも、途中で挫折してしまったら元も子もありません。

読書感想文で評価されるのは、「どんな本を選んだか」よりも「その本から何を感じ、どう考えたか」です。薄い本でも、児童文学でも、自分の心に響いた本なら堂々と感想文を書けます。

目安	ページ数	読書時間
小学校低学年	50〜100ページ	1〜2時間
小学校高学年	100〜200ページ	2〜4時間
中学生	150〜300ページ	3〜6時間
高校生・大人	200〜400ページ	4〜8時間

自分の読書スピードに合わせて、余裕を持って読み切れる本を選ぶのがコツです。

なぜ本選びが読書感想文の8割を決めるのか

ここまで読んで、「本選びってそんなに重要なの？」と思った方もいるかもしれません。

結論から言うと、はい、めちゃくちゃ重要です。

読書感想文で一番苦労するのは、「何を書けばいいかわからない」という状態です。でも、自分に合った本を選べていれば、読みながら自然と「ここ面白い」「この主人公の気持ち、わかる」「自分だったらこうするな」といった感想が湧いてくるんです。

逆に、合わない本を選んでしまうと、読むのも辛いし、感想も浮かばない。結果、締め切り間際に「困った、何も書けない……」となってしまうわけです。

つまり、本選びさえ間違えなければ、読書感想文の大半は成功したも同然。だからこそ、時間をかけて自分に合う本を選ぶことが、何よりも大切なんです。

初心者がやりがちな「難しすぎる本」選びの失敗

私が中学2年生のとき、やらかした失敗談をお話しします。

その年の夏、私は「どうせ書くなら名作を」と意気込んで、ドストエフスキーの『罪と罰』を選んでしまったんです。「有名な本だし、感想文にピッタリだろう」と。

結果、どうなったか。

まず、登場人物の名前が長くて覚えられない。ストーリーは重くて暗い。しかも600ページ超え。読み進めるのに必死で、感想どころじゃありませんでした。結局、半分も読まないうちにギブアップ。慌てて別の本に切り替えたものの、時間がなくて薄っぺらい感想文しか書けませんでした。

この失敗から学んだのは、「背伸びして難しい本を選ぶより、自分のレベルに合った本を深く読む方が、ずっと良い感想文が書ける」ということ。

⚠️ 避けるべき本の特徴

• やたらと登場人物が多く、人間関係が複雑
• 哲学的すぎて、何が言いたいのかわからない
• 時代背景の知識がないと理解できない
• 文章が古く、読みづらい

名作だから、有名だから、という理由だけで本を選ぶのは危険です。自分が「面白そう」「読んでみたい」と思える本を選ぶことが、何よりも大切なんです。

【学年・年代別】読書感想文におすすめの本・定番作品

「自分の学年に合った本って、どれなんだろう？」

本選びで迷ったとき、まずは学年や年代に合った定番作品から探してみるのがおすすめです。ここでは、実際に多くの人が読書感想文で選んでいる、書きやすいと評判の本をご紹介します。

小学校低学年向けおすすめ本

小学校低学年のお子さんには、ページ数が少なく、絵が多めで、ストーリーがわかりやすい本がピッタリです。

『エルマーのぼうけん』（ルース・スタイルス・ガネット）
りゅうの子を助けるために冒険に出る男の子の物語。ワクワクする展開と、主人公の勇気が子どもたちの心を掴みます。「自分だったらどうする？」と考えやすいので、感想文も書きやすいです。

『おしいれのぼうけん』（ふるたたるひ・たばたせいいち）
保育園のおしいれに閉じ込められた2人の男の子が、不思議な世界で冒険する物語。怖さとドキドキ感、そして友情が描かれていて、感情移入しやすい名作です。

『100万回生きたねこ』（佐野洋子）
100万回死んで100万回生きた猫の物語。最後のシーンで思わず涙してしまう子も多い、心に残る絵本です。「大切なもの」について考えるきっかけになります。

📚 低学年の本選びのコツ

文字が大きく、行間が広い本を選ぶと、読むのが楽になります。また、親子で一緒に読んで感想を話し合うのもおすすめです。

小学校高学年向けおすすめ本

高学年になると、少し長めのストーリーや、友情・家族といったテーマを扱った本が人気です。

『西の魔女が死んだ』（梨木香歩）
おばあちゃんの家で過ごす夏休みを描いた、心温まる物語。主人公の成長と、おばあちゃんとの交流が丁寧に描かれています。「生きること」「死ぬこと」について、優しく考えさせてくれる一冊。

『ぼくらの七日間戦争』（宗田理）
大人に反抗して廃工場に立てこもった中学生たちの物語。冒険とユーモアがあって、読みやすく感想も書きやすい。「自由って何だろう」と考えるきっかけになります。

『モモ』（ミヒャエル・エンデ）
時間どろぼうと、不思議な少女モモの戦いを描いたファンタジー。「時間の大切さ」「本当の豊かさとは何か」を考えさせられる名作です。

『かがみの孤城』（辻村深月）
学校に行けなくなった中学生たちが、鏡の中の城で出会う物語。心の傷や友情、勇気がテーマで、今の時代にぴったりの作品。感情移入しやすく、感想文が書きやすいと評判です。

中学生向けおすすめ本

中学生には、少し深いテーマや、社会問題を扱った作品もおすすめです。自分の意見を書きやすい本を選ぶのがコツ。

『君たちはどう生きるか』（吉野源三郎）
中学生のコペル君が、叔父さんとの対話を通じて成長していく物語。いじめ、友情、正義といったテーマが描かれていて、読書感想文の定番中の定番です。

『夜のピクニック』（恩田陸）
高校の伝統行事「歩行祭」での一夜を描いた青春小説。友情、恋、家族の秘密が絡み合う、瑞々しい物語です。読みやすく、共感できる場面が多いので感想文向き。

『博士の愛した数式』（小川洋子）
記憶が80分しかもたない博士と、家政婦とその息子の心温まる物語。数学がテーマですが、難しくありません。「人とのつながり」について深く考えられます。

『wonder ワンダー』（R・J・パラシオ）
顔に障害を持つ少年オギーの学校生活を描いた物語。いじめ、偏見、優しさといったテーマが丁寧に描かれています。映画化もされていて、イメージしやすいのもポイント。

本のタイトル	テーマ	おすすめポイント
君たちはどう生きるか	成長・正義	自分の生き方を考えられる
夜のピクニック	青春・友情	共感しやすく読みやすい
博士の愛した数式	絆・家族	心温まるストーリー
wonder ワンダー	多様性・優しさ	現代的なテーマで書きやすい

高校生・大人向けおすすめ本

高校生や大人には、社会問題や人生について深く考えられる本がおすすめです。自分の経験と重ねて考察できる作品を選びましょう。

『火花』（又吉直樹）
お笑い芸人の世界を描いた芥川賞受賞作。夢と現実、師弟関係、人生の選択といったテーマが詰まっています。読みやすい文体で、感想文も書きやすいです。

『コンビニ人間』（村田沙耶香）
コンビニで働く女性が主人公の、現代社会を風刺した作品。「普通とは何か」「生きづらさ」といったテーマについて、深く考えさせられます。

『羅生門』（芥川龍之介）
短編なので読みやすく、人間のエゴイズムや善悪について深く考えられます。高校の教科書にも載っている定番作品。

『夜と霧』（ヴィクトール・E・フランクル）
強制収容所での体験をもとにした名著。人間の尊厳、生きる意味について考えさせられます。重いテーマですが、読む価値がある一冊。

年代別におすすめの本をご紹介しましたが、大切なのは「自分が読みたいと思える本」を選ぶこと。無理に背伸びせず、自分のペースで読める本を選んでくださいね。

書きやすいジャンル別おすすめ本リスト

「どんなジャンルの本が感想文を書きやすいんだろう？」

本のジャンルによって、感想の書きやすさは大きく変わります。ここでは、読書感想文に向いているジャンルと、それぞれのおすすめ作品をご紹介します。自分の好みに合ったジャンルから選んでみてください。

感動系・ヒューマンドラマ

感動系の本は、心が動く場面が多く、感想文が書きやすいジャンルの代表格です。

泣けるシーンや心温まるエピソードがあると、「ここで泣いた」「この場面が印象に残った」といった具体的な感想が書きやすくなります。

おすすめ作品：

『星の王子さま』（サン=テグジュペリ）
砂漠に不時着した飛行士と、小さな王子さまの物語。シンプルな文章の中に、深いメッセージが込められています。「大切なものは目に見えない」という名言は、誰もが一度は耳にしたことがあるはず。

『チョコレート工場の秘密』（ロアルド・ダール）
貧しい少年チャーリーが、不思議なチョコレート工場に招待される物語。家族の愛と、正直であることの大切さが描かれています。

『きみの友だち』（重松清）
足の不自由な女の子と、友達との関係を描いた連作短編集。友情とは何か、本当の優しさとは何かを考えさせられます。

✨ 感動系を選ぶメリット

「この場面で泣いた」「この言葉が心に残った」など、自分の感情を素直に書ける。感想文の基本は「自分がどう感じたか」なので、感動系はとても書きやすいジャンルです。

冒険・成長物語

主人公が困難を乗り越えて成長していく物語は、「自分だったらどうするだろう」と考えやすいので、感想文向きです。

おすすめ作品：

『十五少年漂流記』（ジュール・ヴェルヌ）
無人島に漂着した15人の少年たちが、協力して生き延びる冒険物語。リーダーシップ、協力の大切さ、生きる知恵といったテーマが詰まっています。

『ハリー・ポッターと賢者の石』（J・K・ローリング）
魔法学校に入学したハリーの成長と冒険を描いた大ベストセラー。友情、勇気、正義といったテーマがあり、感想文も書きやすいです。

『ホームレス中学生』（田村裕）
お笑い芸人・麒麟の田村が、実際に経験した中学生時代のホームレス生活を綴ったノンフィクション。貧困、家族、そして希望について考えさせられます。

ミステリー・謎解き系

謎を解いていく過程がワクワクして、「犯人は誰だろう」「どうしてこうなったんだろう」と考えながら読めるジャンルです。

おすすめ作品：

『そして誰もいなくなった』（アガサ・クリスティ）
孤島に集められた10人が、一人また一人と殺されていくミステリーの名作。犯人を推理しながら読めるので、読書が苦手な人でも楽しめます。

『容疑者Xの献身』（東野圭吾）
天才数学者が、愛する人のために完全犯罪を企てる物語。愛とは何か、正義とは何かを考えさせられるミステリーです。

『夜の国のクーパー』（伊坂幸太郎）
不思議な猫が主人公のファンタジーミステリー。優しい世界観と、心温まるストーリーで、読後感が良い作品です。

ジャンル	向いている人	感想文での書きやすさ
感動系	感情移入しやすい人	★★★★★
冒険・成長	アクションが好きな人	★★★★☆
ミステリー	謎解きが好きな人	★★★★☆
実話・ノンフィクション	現実的なテーマが好きな人	★★★★★

実話・ノンフィクション

実話は「本当にあった話」なので、リアリティがあり、自分の意見や考えを書きやすいジャンルです。

おすすめ作品：

『盲導犬クイールの一生』（石黒謙吾・秋元良平）
盲導犬として生きた一匹の犬の生涯を描いたノンフィクション。動物との絆、命の尊さについて考えさせられます。映画化もされた名作。

『アンネの日記』（アンネ・フランク）
第二次世界大戦中、隠れ家で生活したユダヤ人少女の日記。戦争の悲惨さ、平和の大切さを深く考えられます。

『置かれた場所で咲きなさい』（渡辺和子）
シスターでもある著者が、生きることの意味や幸せについて綴ったエッセイ。短い文章で読みやすく、人生について深く考えられます。

ジャンル別におすすめの本をご紹介しました。自分の好きなジャンルから選ぶと、読むのも楽しいし、感想文もスラスラ書けるようになりますよ。

読書感想文が苦手な人でも書ける本の選び方

「読書感想文、本当に苦手なんだよな……」

そんなあなたに朗報です。実は、読書感想文が苦手な人ほど、本選びで劇的に楽になる方法があるんです。ここでは、感想文を書くのが苦手な人向けの、ハードルを下げる本選びのコツをお伝えします。

映像化作品から選ぶメリット

映画やドラマになっている作品を選ぶのは、実はとても賢い戦略です。

なぜなら、映像を先に見ておくことで、ストーリーの流れや登場人物のイメージが頭に入っているから。本を読むときに「あ、この場面、映画で見たあのシーンだ」と思い出せるので、読みやすくなるんです。

さらに、映像と原作の違いを比較して感想を書くこともできます。「映画では○○だったけど、原作では△△だった」「原作の方が主人公の心理描写が詳しくて、理解が深まった」といった具合に。これだけで感想文の文字数をかなり稼げます。

映像化されたおすすめ作品：

• 『君の膵臓をたべたい』（住野よる）
• 『告白』（湊かなえ）
• 『ビリギャル』（坪田信貴）
• 『永遠の0』（百田尚樹）

🎬 映像化作品を選ぶときの注意点

映像を見てから本を読むのもいいですが、本を読んでから映像を見る順番もおすすめ。自分の想像と映像の違いを楽しめて、より深い感想が書けます。

薄い本でも評価される選び方

「分厚い本じゃないと、読書感想文として認められないんじゃ……」

そんな心配、いりません。

大切なのは本の厚さではなく、その本から何を感じ、どう考えたかです。薄い本でも、深く読み込んで自分なりの考えを書けば、立派な読書感想文になります。

むしろ、薄い本の方が何度も読み返せるので、細かい描写や伏線に気づきやすくなります。「1回目は○○だと思ったけど、2回目に読んだら△△という意味だとわかった」といった発見を書けば、深い考察として評価されます。

薄くても評価される本の例：

• 『走れメロス』（太宰治）– 50ページ程度
• 『トロッコ』（芥川龍之介）– 30ページ程度
• 『ごん狐』（新美南吉）– 20ページ程度
• 『注文の多い料理店』（宮沢賢治）– 40ページ程度

これらの作品は短いからこそ、一つひとつの言葉に深い意味が込められています。じっくり読み込んで、自分なりの解釈を書けば、十分に良い感想文が書けますよ。

自分の経験と重なる本を探す方法

感想文が書きやすい本の最大の条件、それは「自分の経験と重なる部分がある本」です。

たとえば、部活で挫折した経験があるなら、スポーツ小説を選ぶ。友達関係で悩んだことがあるなら、友情がテーマの本を選ぶ。こうすることで、「この主人公の気持ち、すごくわかる」「自分も同じような経験をした」と、自然に感想が書けるようになります。

自分の経験と本を結びつけることで、感想文はぐっと説得力が増します。「私も中学2年のとき、主人公と同じように友達と喧嘩して……」といった具体的なエピソードを交えると、オリジナリティのある感想文になるんです。

📝 自分の経験と重ねるコツ

本を読みながら、「自分だったら」「自分の場合は」と考える癖をつけましょう。付箋に「ここ、自分と同じ」とメモしておくと、感想文を書くときにすぐ使えます。

本選びで失敗しないための注意点とチェックリスト

「よし、この本にしよう！」と決める前に、ちょっと待って。

本選びで失敗しないために、最終チェックをしておきましょう。ここでは、後悔しないための注意点と、本を選ぶときの確認項目をご紹介します。

避けるべき本の特徴

読書感想文に向かない本というのは、確かに存在します。

これらの特徴に当てはまる本を選んでしまうと、読むのも書くのも苦痛になってしまうので、要注意です。

• シリーズ物の途中巻 – 前の巻を読んでいないと話がわからない
• 専門用語が多すぎる本 – 医学書、法律書など、専門知識がないと理解できない
• 登場人物が多すぎる本 – 人間関係を把握するのに時間がかかる
• 翻訳の質が悪い本 – 文章が不自然で読みづらい
• あまりにも古い時代の本 – 時代背景の知識がないと理解できない

ただし、これはあくまで一般論。自分が興味を持てるなら、これらの本でも構いません。大切なのは、「この本、自分に合ってるかな？」と立ち止まって考えることです。

図書館・書店で確認すべきポイント

本を選ぶとき、いきなり最初から最後まで読む必要はありません。

図書館や書店で、次のポイントをチェックしてみてください。

1. 冒頭3ページを読んでみる
最初の数ページを読んで、「続きが気になる」と思えたら合格。逆に、「わかりにくいな」「つまらないな」と感じたら、別の本を探しましょう。

2. 目次を確認する
章のタイトルを見て、どんな内容かイメージできるか確認。興味を持てそうなら、読み進められる可能性が高いです。

3. 中盤の数ページをパラパラ読む
文章の雰囲気や難易度をチェック。自分にとって読みやすい文体かどうか確認しましょう。

4. 裏表紙のあらすじを読む
ストーリー全体の流れをつかんで、「この展開、面白そう」と思えるか確認。

5. レビューを参考にする
Amazonや読書メーターなどで、他の読者の感想をチェック。「読書感想文に向いている」というコメントがあれば参考になります。

読み始める前のチェックリスト

本を借りる・買う前に、この1チェックリストで最終確認しましょう。

チェック項目	✓
この本のテーマに興味が持てるか？	□
ページ数は自分の読書ペースで読み切れるか？	□
文章は読みやすいか？（冒頭を読んで確認）	□
登場人物の名前は覚えやすいか？	□
自分の経験や興味と重なる部分があるか？	□
締め切りまでに読み終えられるか？	□

このチェックリストで4つ以上✓がつけば、その本はあなたに合っている可能性が高いです。自信を持って選びましょう！

おすすめ本の効率的な読み方・感想メモのとり方

本を選んだら、次は「どう読むか」が大事です。

ただ漫然と読むのではなく、読書感想文を書くことを意識しながら読むことで、後がグッと楽になります。ここでは、効率的な読み方とメモのとり方をご紹介します。

付箋とメモを使った読書術

読書感想文のプロ（？）が実践している方法、それが「付箋読書術」です。

やり方はシンプル。本を読みながら、気になった場所に付箋を貼っていくだけ。付箋の色を使い分けると、さらに便利です。

• 黄色の付箋 – 心に残った言葉・名言
• ピンクの付箋 – 感動した場面
• 青の付箋 – 疑問に思った場所・わからなかった部分
• 緑の付箋 – 自分の経験と重なった場面

読み終わったあと、付箋を貼った場所だけをもう一度読み返せば、感想文のネタが簡単に集まります。

💡 付箋活用のコツ

付箋に短くメモを書いておくと、後で見返したときに「なんでここに付箋貼ったんだっけ？」と迷わなくて済みます。「ここ泣いた」「自分と同じ」など、一言でOK。

感想文に使えるポイントの見つけ方

本を読みながら、この3つの視点を意識してみてください。

1. 主人公の変化に注目する
物語の最初と最後で、主人公はどう変わったか？何を学んだか？この変化が、感想文の大きなテーマになります。

2. 印象に残った場面を3つ選ぶ
「一番心に残ったのはこの場面」と言える場面を、読みながら3つ選んでおきましょう。それぞれについて「なぜ心に残ったのか」を考えることが、感想文の核になります。

3. 自分だったらどうするか考える
主人公が困難に直面したとき、「自分だったらどうするだろう？」と考えてみる。この視点があると、感想文に深みが出ます。

読みながら書くべき3つのメモ

本を読みながら、ノートやスマホに簡単なメモを残しておくと、感想文を書くときにとても役立ちます。

メモ1：「好きな場面・セリフ」
ページ数と一緒に、心に残った場面やセリフをメモ。「p.45 主人公が友達に謝るシーン – 勇気がすごい」といった具合に。

メモ2：「疑問に思ったこと」
「なんでこの登場人物はこんな行動をしたんだろう？」「このシーンの意味は？」など、疑問に思ったことをメモ。読み終わったあとに考察すると、深い感想文が書けます。

メモ3：「自分の経験と比較」
「この場面、去年の自分と似てる」「主人公と同じ経験をしたことがある」など、自分の体験と重なる部分をメモ。これが感想文のオリジナリティになります。

この3つのメモがあれば、感想文を書くときに「何を書けばいいかわからない」という状態にはなりません。読書と同時進行でメモを取ることが、効率的な読書感想文作成の秘訣です。

読書感想文で高評価を得やすい本の特徴

「どうせ書くなら、良い評価をもらいたい」

そう思いますよね。実は、読書感想文で高評価を得やすい本には、いくつかの共通点があるんです。ここでは、先生や審査員に評価されやすい本の特徴をお伝えします。

社会問題・テーマ性のある本

いじめ、環境問題、戦争、貧困、差別……こうした社会問題をテーマにした本は、感想文で高評価を得やすい傾向にあります。

なぜなら、社会問題について自分なりに考え、意見を述べることで、「深く考える力」「社会への関心」をアピールできるからです。

社会問題をテーマにした本の例：

• 『wonder ワンダー』– 外見の違いと多様性
• 『ホームレス中学生』– 貧困と家族
• 『夜と霧』– 戦争と人間の尊厳
• 『アンネの日記』– 戦争と平和

ただし、重要なのは「社会問題を取り上げた本を選べば良い」ということではありません。その問題について、自分がどう考え、どう行動すべきかまで踏み込んで書くことが大切です。

登場人物の心理描写が深い本

登場人物の内面が丁寧に描かれている本は、感想文が書きやすく、かつ深い考察ができます。

「この登場人物はなぜこんな行動をしたのか」「その時どんな気持ちだったのか」を考察することで、人間理解の深さを示せます。先生や審査員は、こうした心理分析を高く評価する傾向にあります。

心理描写が深い本の例：

• 『こころ』（夏目漱石）
• 『人間失格』（太宰治）
• 『博士の愛した数式』（小川洋子）
• 『容疑者Xの献身』（東野圭吾）

自分なりの意見が書きやすい本

読書感想文で一番大切なのは、「自分の意見」です。

賛否両論あるテーマ、考えさせられる結末、複数の解釈ができる物語……こうした本を選ぶと、「私はこう思う」という独自の意見が書きやすくなります。

たとえば、『君たちはどう生きるか』なら「正義とは何か」について自分の考えを書けるし、『星の王子さま』なら「大切なものとは何か」について考察できます。

正解のない問いについて、自分なりの答えを出す。これが、高評価につながる感想文の書き方です。

🌟 高評価を得るための最終アドバイス

どんな本を選んでも、最も大切なのは「自分の言葉で、自分の考えを書く」こと。ネットの感想をコピーしたり、あらすじばかり書いたりせず、正直に自分が感じたことを書きましょう。それが、一番評価される感想文です。

実際に感想文が書きやすかった本ランキングTOP10

さあ、いよいよ最後のセクションです。

ここでは、実際に多くの人が「読書感想文が書きやすかった！」と評価している本を、ランキング形式でご紹介します。迷ったら、このランキングから選べば間違いありません。

第1位〜第3位

【第1位】君たちはどう生きるか（吉野源三郎）

堂々の第1位は、読書感想文の定番中の定番、『君たちはどう生きるか』です。

中学生のコペル君が、叔父さんとの対話を通じて成長していく物語。いじめ、友情、正義、勇気といった普遍的なテーマが描かれていて、誰でも共感できる内容です。

「自分はどう生きるべきか」という問いに対して、自分なりの答えを書くことができるので、オリジナリティのある感想文が書けます。ページ数も程よく、中学生なら2〜3時間で読み切れる分量です。

【第2位】wonder ワンダー（R・J・パラシオ）

顔に障害を持つ少年オギーが、普通の学校に通い始める物語。

いじめ、偏見、優しさ、友情といった現代的なテーマが丁寧に描かれています。読みやすい文章で、感情移入しやすいのも高ポイント。「もし自分がオギーだったら」「もし自分がオギーのクラスメイトだったら」と、複数の視点から考察できます。

映画化もされているので、映像と比較しながら感想を書くこともできます。

【第3位】西の魔女が死んだ（梨木香歩）

学校に行けなくなった少女が、おばあちゃんの家で過ごす夏休みを描いた物語。

「魔女修行」という不思議な設定ですが、実際は生きること、死ぬこと、自立することについて深く考えさせられる作品です。ページ数も少なめ(200ページ程度)で、文章も読みやすい。優しい世界観なので、読後感も良好です。

「生きるって何だろう」「大人になるって何だろう」といったテーマで、深い感想文が書けます。

第4位〜第7位

【第4位】夜のピクニック（恩田陸）

高校の伝統行事「歩行祭」での一夜を描いた青春小説。友情、恋、家族の秘密が絡み合う、瑞々しい物語です。読みやすく、共感できる場面が多いので、感想文が書きやすいと評判。

【第5位】星の王子さま（サン=テグジュペリ）

砂漠に不時着した飛行士と、小さな王子さまの物語。シンプルな文章の中に深いメッセージが込められています。「大切なものは目に見えない」という名言をもとに、自分なりの考えを書けます。

【第6位】博士の愛した数式（小川洋子）

記憶が80分しかもたない博士と、家政婦親子の心温まる物語。数学がテーマですが、難しくありません。家族の絆、人とのつながりについて深く考えられます。

【第7位】かがみの孤城（辻村深月）

学校に行けなくなった中学生たちが、鏡の中の城で出会う物語。心の傷、友情、勇気がテーマ。現代の中学生にとって身近なテーマなので、感情移入しやすく感想文も書きやすいです。

第8位〜第10位

【第8位】火花（又吉直樹）

お笑い芸人の世界を描いた芥川賞受賞作。夢と現実、師弟関係、人生の選択といったテーマが詰まっています。読みやすい文体で、大人も楽しめる一冊。

【第9位】走れメロス（太宰治）

友情と信頼をテーマにした短編の名作。ページ数が少なく、読みやすい。「信じることの大切さ」について、自分の経験と重ねて書けます。

【第10位】盲導犬クイールの一生（石黒謙吾・秋元良平）

盲導犬として生きた一匹の犬の生涯を描いたノンフィクション。動物が好きな人におすすめ。命の尊さ、動物との絆について考えさせられます。

順位	書名	書きやすさ	おすすめ学年
1位	君たちはどう生きるか	★★★★★	中学生〜
2位	wonder ワンダー	★★★★★	小学高学年〜
3位	西の魔女が死んだ	★★★★☆	小学高学年〜
4位	夜のピクニック	★★★★☆	中学生〜
5位	星の王子さま	★★★★☆	小学高学年〜

このTOP10から選べば、まず失敗することはありません。気になった本があれば、ぜひ手に取ってみてください。

まとめ

ここまで、読書感想文におすすめの本の選び方から、具体的なおすすめ作品、効率的な読み方まで、幅広くご紹介してきました。

最後にもう一度、読書感想文で失敗しないための大切なポイントをおさらいしましょう。

読書感想文の成功は、本選びで8割決まります。

自分が興味を持てるテーマか、感情が動く場面があるか、読み切れる分量か。この3つのポイントを押さえれば、本選びで失敗することはほぼありません。

「名作だから」「有名だから」という理由だけで背伸びして難しい本を選ぶのではなく、「自分が読みたい」「面白そう」と思える本を選ぶことが、何よりも大切です。薄い本でも、児童文学でも、映画化された作品でも構いません。大切なのは、その本から何を感じ、どう考えたかです。

迷ったら、ランキングTOP10から選びましょう。

『君たちはどう生きるか』『wonder ワンダー』『西の魔女が死んだ』など、多くの人が「書きやすかった」と評価している本を選べば、まず間違いありません。これらの本は、テーマが普遍的で、感情移入しやすく、自分なりの意見が書きやすいという特徴があります。

読みながらメモを取ることが、感想文成功の秘訣です。

付箋を貼りながら読む、心に残った場面をメモする、疑問に思ったことを書き留める。こうした小さな積み重ねが、感想文を書くときに大きな助けになります。「何を書けばいいかわからない」という状態を防ぐには、読書と同時進行でメモを取ることが一番効果的です。

自分の経験と重ねることで、オリジナリティが生まれます。

「この主人公の気持ち、自分も同じ経験をしたことがある」「この場面、去年の自分と重なる」。こうした気づきがあると、感想文は一気に深みを増します。他の誰にも書けない、あなただけの感想文になるんです。

読書感想文は、本との対話です。

本を読みながら、「自分だったらどうするだろう」「この登場人物はなぜこんな行動をしたんだろう」と考えることが、読書の醍醐味。そして、その思考が、そのまま感想文になります。

正解はありません。100人いれば、100通りの感想があるのが読書です。だからこそ、ネットの感想をコピーするのではなく、自分の言葉で、自分が感じたことを素直に書いてください。それが、一番評価される感想文であり、何より、一番あなたらしい感想文になります。

さあ、この記事を参考に、あなたにぴったりの一冊を見つけてください。本との出会いが、あなたの読書感想文を、そして夏休みを、きっと素敵なものにしてくれるはずです。

読書感想文、頑張ってくださいね。あなたなら、きっと素晴らしい感想文が書けます。